代表挨拶

地方創生を担う農業教育

face_hioki本財団が公益財団法人として内閣府の認可を受けて2年が経過しました。この間、従来から実施してきた事業に加えて農業女子フォーラムやシンポジウムの開催、関係機関・諸団体との連携事業など公益・公共的事業を積極的に推進し、広く人々に農業の重要性と農的ライフスタイルの持つ豊かさ・素晴らしさを発信し、高い社会的評価を得ることができました。また、平成27年度には、新たな事業として実習助手単位認定講習会を実施いたします。

さて最近、高度な情報通信技術の発達を原動力として、我が国の産業経済の好転が伝えられる中で農業及び農業教育を取り巻く環境は依然として厳しく、後継者不足や就農者の高齢化、休耕地の拡大、TPP加入問題など早急に対応を求められている課題が山積しています。一方、食糧や健康、環境保全、エネルギーなど農業に関わる分野への国民の関心や要望はますます高まっており、あらゆる分野で様々な工夫や取り組みがなされています。なかでも食農教育の普及や地域特産品のブランド化、インターネットによる生産者直販、消費者ニーズに対応した農産物の限定生産等は年々盛んになってきており、これらの動向は今後さらに進展・拡大することが予想されます。このような先進的な取り組みは、これまでの農業の在り方を大きく変える要因となると同時にこれからの農業の方向性を示唆し、農業の将来への期待を大きくする要因となり得るものと思います。

農業は、国民が生命を維持し健康に生き抜くための基幹産業です。これまで継承されてきた農業・農村の素晴らしい機能を保守しながら、競争率を持った新しい時代の農業をいかに構築するかが緊急の課題であると思います。

これからの社会は、地方を創生・再生していく時代であると言われます。地方を活性化するためには農業の活力なくして果たすことはできません。

それだけに、これからの農業教育が果たさなければならない使命と役割は極めて重要です。農業高校に学ぶ生徒たちは、自然との関わりの中で植物や動物を育てることを通して命の大切さを学び自身の生きる力を育んでいます。そのことを日常の学習活動のなかでしっかりと自覚させ、学習した知識・技術を実際に使える力に換える力を確実に身に付けさせると共に現場感覚のある教育を徹底していくことが何より肝要であろうと思います。

農業教育に携わる教育職員全員で組織する本協会のような団体は他にはありません。会員一人一人が力を集結し、厳しい農業の現実に立ち向かえば、解決の道は必ず拓けるものと確信しています。今後も公益財団法人としての有利性を活かしながら事業の精選と充実を図り、農業教育の振興と人材育成、並びに広く国民の農業と農業教育への理解を深め、その重要性・必要性を伝える事業を推進して行きたいと思っています。

今後とも、会員の皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

公益財団法人全国学校農場協会

理事長 日置司明

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